北見葉胡さんが絵もおはなしも手がけた絵本。
現在、絶版状態なので、Amazonマーケットプレイスで購入しました。
これがいい絵本なんです。何がいいって、細部まですごく凝っているんです。
表紙カバーの折り返し部分(そで)、見返し、ノンブル、奥付といった、普段見逃しがちな本の細部にまで、素敵な絵が描き込まれているんです。
こういうこだわりのある本は、いい本に決まっています。
中身はもちろん、北見さんの不思議でシュールな魅力満載。かわいいようで、ちょっと毒のある絵が、なんともいいんですよね。
多肉植物っぽいものがたくさん生えている不思議な世界。主人公のソマリーコは猫のような顔をしていてサロペットジーンズをはいて二足歩行。奇妙なちいさい生き物たちもそこかしこに(画面の外にまで!)顔をのぞかせるので、ページのすみずみまで見逃せない。
この『さぼてん』が、いちばん北見さんらしいというか、北見さんワールドの原点のようにも感じます。
こんないい絵本が、なぜ絶版状態なのか…(たしかにちょっとマニアックかもしれない?)。いまは大人が絵本を読む時代(?)なので、こういう作品は喜ばれるのでは。
ぜひ復刊してほしいものです。