■かわいい旅と雑貨の本

〜ティータイムのおともにぴったり〜


スタイリストさんや雑貨屋さんが書いた、かわいいくておしゃれな旅と雑貨の本。 いま、とてもたくさん出版されています。どれを手に取とろうか迷ってしまいますが、このページでは、管理人好みの数冊をセレクトしてみました。
写真がたくさんあって読みやすく、ブックデザインも素敵で、実際の旅に連れていくのはもちろん、リラックスしたティータイムのおともにページを繰るのにも、ぴったりの本たち。
異国の旅の雰囲気にひたったり、雑貨などのスタイリングを、ちょこっと日々の暮らしにとりいれてみるのも、楽しいですよ。



↓クリックすると著者紹介、書籍紹介に飛びます。



●いがらしろみ


菓子研究家のいがらしろみさん。フランス菓子を学び、ル・コルドン・ブルー勤務などを経て、2002年にromi-unieとして独立。2004年にジャム専門店「Romi-Unie Confiture」をオープン。
雑誌『天然生活』の記事や、Afternoon Teaサイト上での連載などを見ていると、ろみさんはほんとうにお菓子がお好きなのだなあと思います。


「Milk Tea」

ロンドンのおいしいお茶とお菓子の時間
いがらしろみ/keiko kurita 著(mille books)
Milk Tea ロンドンのおいしいお茶とお菓子の時間
いがらしろみさんのロンドンの旅についてのエッセイと、フォトグラファーkeiko kuritaさんの写真とで構成された一冊。「ロンドン」と「Milk Tea」というキーワードに惹かれて手にとりました。
実はろみさんについては、お名前は存じ上げているけれども、レシピ本などを買ったことはないのです。 奈良の「くるみの木」という有名なカフェと雑貨のお店で、この本を目にして、そのときは文章が少ないので、買うのはもったいないかなあと思いました。 でもその後、表紙ののどかなロンドンの公園の雰囲気や、おいしそうなミルクティーの写真が思い出されて、やっぱり欲しくなってAmazonで注文したのでした。

文章が少ないということは情報量が少ないということで、ろみさんはお菓子の研究家だけれど、たとえばお茶のお菓子フェアリー・ケーキについて、詳しく書いてあるというわけではありません。
じゃあ何が書いてあるかというと、ロンドンでのお茶の時間の思い出。正式なアフタヌーンティーではなく、ティーバッグでラフにいれたミルクティーの、ほんわかした味のこと。
この本に書いてあるミルクティーのいれ方や、ビスケットの食べ方は、すぐに実践できることだから、読んでいるとミルクティーが飲みたくてたまらなくなってきます。
ああ、この本の効用はこれだなんだな、としみじみ感じる。
レシピや詳しい情報を紹介することだけが、お菓子のたのしさを伝えるわけではないのですね。

この本は写真集として楽しむのもまたよしで、お茶の時間のリラックスした空気を伝えてくれるカラー写真が満載。緑あふれる公園でのピクニックや、教会の庭でいただくアフタヌーンティーの光景など、まさにロンドン!という感じ。
ブックデザインもシンプルでかわいくて、気取らないロンドンの今の空気がたくみに切りとられた、素敵な一冊になっています。

→keiko kuritaさんの写真集『wonder Iceland』の紹介はこちら

→Amazon「Milk Tea ロンドンのおいしいお茶とお菓子の時間
→セブンネットショッピング「Milk Tea ロンドンのおいしいお茶とお菓子の時間icon

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●大段まちこ/堀江直子


大段まちこさんは、写真家。ふんわりとした雰囲気をうつしとった写真が素敵で、書籍『ヨーロッパのレース手帖』(ピエ・ブックス)や、雑誌『Hanako WEST』など、ふと手に取ったいろいろな本で名前をお見かけします。
堀江直子さんは、スタイリスト。管理人がよく読んでいる雑誌『クウネル』や『天然生活』で、たびたび名前をお見かけします。そのスタイリングは、清潔感があって、とてもかわいいのです。


「かわいいイギリスの雑貨と町」

大段まちこ/堀江直子 著(ピエ・ブックス)
かわいいイギリスの雑貨と町
『かわいいイギリスの雑貨と町』は、表紙のシンプルなかわいさと、「イギリス」というキーワードに惹かれて手にとりました。
いろいろな雑誌や書籍で活躍されている、写真家の大段まちこさんと、スタイリスト堀江直子さん。 おふたりがロンドンとコッツウォルズ地方を訪ね、たくさんのかわいいものたちに出会います。

一般的には、どんよりしたくもり空と霧、古めかしく重々しい石造りの建造物のイメージが先行するであろうイギリスを、「かわいい」という切り口で旅すると…。
天井からアンティークのティーカップがモビールのようにぶらさがっているディスプレイが素敵な、おとぎ話のようなティールーム。
紅茶好きには憧れの、本場のアフタヌーンティーとクリームティーのおはなし。
「プディングクラブ」という、イギリス伝統のお菓子を楽しむイベントについて。
英国の美しい庭が楽しめるキューガーデン。赤い壁のキューパレスの写真のかわいいこと!
イギリスの美しいカントリーサイド、はちみつ色の町コッツウォルズ。ここはブランケット発祥の地であり、かのウィリアム・モリスが愛した村があるところ…。
まだまだここに書ききれないくらい、イギリスの伝統的で美しいものたちが、大段まちこさんのふんわりとした色彩の写真と、堀江直子さんのかわいいスタイリングで紹介されています。
シンプルなテキストとすっきり洗練されたレイアウトで、読みやすく、かわいすぎないのも素敵です。

→ウィリアム・モリスの本の紹介はこちら

→Amazon「かわいいイギリスの雑貨と町
→セブンネットショッピング「かわいいイギリスの雑貨と町icon

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●おさだゆかり


おさだゆかりさんは、「アフタヌーンティー・リビング」のバイヤーを経て独立、オンラインショップ「SPOONFUL」(http://www.spoon-ful.jp/)をたちあげたという方。 下記『北欧雑貨をめぐる旅』でとりあげられている雑貨の多くは「SPOONFUL」で購入可能です。


「北欧雑貨をめぐる旅」

おさだゆかり 著(産業編集センター)
北欧雑貨をめぐる旅 (私のとっておき)
雑貨といえば北欧。そんなストレートな思いつきで手にとったのが、『北欧雑貨をめぐる旅』。
著者のおさだゆかりさんは、アフタヌーンティーのバイヤーを経て、オンラインショップ「SPOONFUL」をたちあげたという方。 『かわいい生活。vol.8』(主婦と生活社)では、古きよき北欧デザインに一目惚れしたという、おさださん愛用の雑貨が紹介されていて、かわいいなと思っていました。
「SPOONFUL」をのぞいてみると、サイトのイメージカラーは明るいイエロー。この『北欧雑貨をめぐる旅』も、イエローを効かせたすっきりとした装幀が素敵です。

内容は、たっぷりの写真に短いテキストが添えられたスタイルで、ストックホルムの空の青さや、北欧のセカンドハンドのグッドデザイン、ハンドクラフト雑貨のあたたかみなどが紹介されています。
なかでも、スウェーデンの森の中のサマースクールで、2週間ハンドクラフトを学んだ際の滞在日記には、興味をひかれました。
北欧の短い夏、緑あふれる森。森の木を使ってスプーンを彫ったり、かごを編んだり。こんなところで、こんなふうに、夏を過ごしてみたいものです。
ちなみに産業編集センターの旅や雑貨の本は、オールカラーでも、お値段がけっこう手頃なのが嬉しい。

→Amazon「北欧雑貨をめぐる旅 (私のとっておき)
→セブンネットショッピング「北欧雑貨をめぐる旅icon

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●加藤郁美


加藤郁美さんは、『切手帖とピンセット』の著者紹介によると、北海道生まれの編集者。『葉書でドナルド・エヴァンズに』などを刊行している作品社に勤務ののち、月兎社をたちあげられたとのこと。勝本みつるさんの作品集はじめ、個性的な書籍を発行していらっしゃいます。

→月兎社の公式ページへ



「切手帖とピンセット」

1960年代グラフィック切手蒐集の愉しみ
加藤郁美 著(国書刊行会)
切手帖とピンセット 1960年代グラフィック切手蒐集の愉しみ
個人の海外旅行が難しかった1960年代の大人たち子どもたちは、切手で世界にアクセスすることにわくわくしていたのでした。

『切手帖とピンセット』7ページより

『切手帖とピンセット』は、いい本買った! という手ごたえがあった一冊。
勝本みつるさんの作品集はじめ個性的な書籍を発行していらっしゃる月兎社発行人、加藤郁美さんによる「カワイイ切手の本」。
あれでもちょっと待て、「かわいい○○の本」のわりには、版元が国書刊行会ってのはアヤシイ…(いや、いい意味で!ですよ)。
と思ったら、やっぱりこれはただの「カワイイ切手」本じゃなかった。

かわいい切手はいっぱい載っています。フルカラーで1154枚。で、北欧、フランス、チェコの切手、までは「カワイイ切手の本」っぽいんだけど、ラオスとかソ連(ロシアじゃなくて)、エジプト、セネガル、ケニア、ウルグアイ…だんだん馴染みのない国の名前が出てきて、 びっくりしたのは朝鮮民主主義人民共和国の切手も収録されていたこと。これが色とかけっこうかわいくて、でもやっぱり政府のスローガンを表現したプロパガンダ切手なのだそう。
それぞれの切手の解説がまたふるっていて、その切手が発行された背景にある、発行国の歴史や政治的事件を知ることができます。荒俣宏氏ほか個性的な面々によるコラムも読み応えあり。
何より切手の味わいを伝えてくれるのが祖父江慎氏による装幀で、「切手帖に並べて上から一発撮り」(月兎社サイトより)したという切手の写真は、ちょっと切手が糊で反ったりしているのまでわかって、ほんとうに切手帖を開いて見ている気分にさせてくれます。
エピローグによると「「カワイイ切手の本」とだまして?企画を通してもらったにもかかわらず、人文書編集者の血が暴走」してしまったのだそうで…なるほどねぇ〜という感じです。

中身が濃すぎる「カワイイ切手の本」、最後は架空の国の架空の切手を描き続けた画家ドナルド・エヴァンズのこともとりあげられていて、「切手」に興味のある読者が、間違いなく満足できる一冊になっています。

→月兎社『切手帖とピンセット』公式ページへ(これ見たら買いたくなる!)

→勝本みつるさんの作品集の紹介はこちら
→『葉書でドナルド・エヴァンズに』の紹介はこちら

→Amazon「切手帖とピンセット 1960年代グラフィック切手蒐集の愉しみ
→セブンネットショッピング「切手帖とピンセット 1960年代グラフィック切手蒐集の愉しみicon

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●tinycrown


tinycrown(タイニークラウン)は、ヴィンテージのジュエリー・衣類などを扱う女の子のためのウェブ・ショップ(http://www.tinycrown.com/blog/)。ロンドン在住のバイヤー、イセキアヤコさんが運営されています。
イセキアヤコさんは、恵文社一乗寺店(http://www.keibunsha-books.com/)勤務ののち、独立された方です。


「ヴィンテージ フォー ガールズ」

ヨーロッパで見つけたハッピーモチーフ
tinycrown 著/長島有里枝 写真(ピエ・ブックス)
ヴィンテージ フォー ガールズ―ヨーロッパで見つけたハッピーモチーフ
『ヴィンテージ フォー ガールズ』は、tinycrownの扱うヴィンテージアイテムを、写真家の長島有里枝さんが撮りおろした、オールカラーのヴィジュアルブック。
ヨーロッパの香り漂うヴィンテージアイテムは、どれもただかわいいってだけじゃなく、厳選されていて、とっても繊細だったり、かと思えば素朴でおおらかだったり、とにかくほのぼのするデザインのものが多くて、眺めているだけでまさに「ハッピー」な気持ちになれます。

ブローチの下に敷かれたクロスや、ハンカチがかけられたハンガーがかわいかったりして、そんなところも見逃せません。
お花の刺繍のクロスの上に、ウサギのブローチ。野の花の咲く中に置かれた、テニスのラケットとボールの絵が描かれたバスケット。ピアノの黒白の鍵盤の上にちょこんと、黄色いリボンのプラスチックブローチ、などなど…。どの写真も、じっくり時間をかけて眺めてしまいます。
またそれぞれのアイテムのモチーフの意味について、巻末に簡単な解説がついていて、参考になります。「ノット」や「蹄鉄」の意味など、日本人にはへぇ〜そうなんだという感じで、面白い。

ブックデザインが乙女っぽくなくて、すっきりしてクールな感じなのが、むしろ素敵です。

→Amazon「ヴィンテージ フォー ガールズ―ヨーロッパで見つけたハッピーモチーフ
→セブンネットショッピング「ヴィンテージフォーガールズ ヨーロッパで見つけたハッピーモチーフicon

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●チャルカ


チャルカというのは、久保よしみさんと藤山なおみさん、旅友たちの女性ふたりが作った、大阪北堀江にある有名なお店、東欧を旅する雑貨店[チャルカ] のこと。
わたくし管理人も、実際にお店を訪れたことがあるのですが、おしゃれな雑貨屋さんやカフェが集まる北堀江のなかでも、際立った存在でした。 東欧が大好き!というお店のコンセプトがはっきりしていて、東欧雑貨、東欧の文化、東欧に住まい雑貨をつくり使っている人たちへの愛が感じられる。
お店で頂いた、生のしょうがをすりおろして作られたジンジャーエールも美味しく(チャルカではお茶も食事もできるのです)、すっかりチャルカのファンになってしまった管理人なのでした。

→東欧を旅する雑貨店[チャルカ] のサイトはこちら



「チャルカの東欧雑貨買いつけ旅日記」

チャルカ 著(産業編集センター)
チャルカの東欧雑貨買いつけ旅日記
『チャルカの東欧雑貨買いつけ旅日記』は、チャルカのはじめての本。
チャルカというのは、久保よしみさんと藤山なおみさん、旅友たちの女性ふたりが作った、大阪北堀江にある有名なお店、東欧を旅する雑貨店[チャルカ] のことです。
チャルカがはじめて手がけたこの本は、旅先へも連れていきやすいよう配慮されたこぶりのサイズ。紙のざらりとした質感、見開きに使われた模様からも、東欧の、「ちょっとあか抜けない、懐かしい」雰囲気が伝わってきます。

はじめての本らしく、手さぐりで作られた感じ、あれもこれもと情報をつめこんだ感じがうかがえますが、そこがまさに雑貨ハンターの旅日記そのもの、とも言えそう。とても読みごたえがあります。
チャルカの本の特色はといえば、雑貨のことだけではなくて、旅先で出会った土地の人々との触れ合いが描かれているところ。
ベルリンのタクシードライバー、プラハの切手屋のおじさん、ハンガリーの市場で出会ったおばあちゃんたち。みんな魅力的な表情で写真にうつっている。
こんな写真が撮れるのって、チャルカのお二人が訪れた土地で、雑貨だけ見ているんじゃなくて、そこに暮らす人々と、心の通った交流をしているからだよね、と思う。
盛りだくさんの旅日記、かわいくてあたたかい素敵な一冊です。

→Amazon「チャルカの東欧雑貨買いつけ旅日記
→セブンネットショッピング「チャルカの東欧雑貨買いつけ旅日記icon

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「りんごの木の村で」

チャルカが旅したチェコのガラスボタン物語
チャルカ 著(ヴィレッジブックス)
りんごの木の村で―チャルカが旅したチェコのガラスボタン物語
『りんごの木の村で』は、まさに旅と雑貨の本。
はっきり言ってしまうと、この本はこういうジャンルの本の中でもかなり質の高い一冊ではないかと思います。
著者のチャルカというのは、久保よしみさんと藤山なおみさん、旅友たちの女性ふたりが作った、大阪北堀江にある有名なお店、東欧を旅する雑貨店[チャルカ] のこと。
わたくし管理人も、実際にお店を訪れたことがあるのですが、おしゃれな雑貨屋さんやカフェが集まる北堀江のなかでも、際立ったお店でした。
東欧が大好き!というお店のコンセプトがはっきりしていて、東欧雑貨、東欧の文化、東欧に住まい雑貨をつくり使っている人たちへの愛が感じられる。

この本はまさにそんなチャルカの、チャルカらしい一冊。蚤の市で出会ったガラスボタンから、そのボタンを作っている工房を探しあて、工房のある村に滞在。ガラスボタンの最盛期が過ぎ去った今もボタンを作り続けている人々と触れ合った、しずかな、心あたたまる旅の記録がおさめられています。
ガラスボタンを作り続ける工房のある場所は、チェコの北端ヤブロネツ・ナド・ニソウ、「りんごの木の村」と呼ばれるところ。
いままで聞いたこともなかった土地の名前。そこに暮らすガラスボタンの職人さんや、村の人々の日常生活について、彼らの言葉を織り交ぜながら、敬意をもって綴られており、何ともいえない一瞬の表情をとらえた写真とともに、人生の奥深さが垣間見えて、ぐっと胸に迫るものがあります。
旅と雑貨の本は数あれど、これはほんとうに一読の価値あり。
興味をもたれた方には、チャルカの店舗にもぜひぜひ足を運んでみてほしい、と思ってしまう管理人なのでした。

→Amazon「りんごの木の村で―チャルカが旅したチェコのガラスボタン物語
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「アジ紙」

東欧を旅する雑貨店チャルカの、好きで好きで仕方のない紙のはなし。
チャルカ 著(アノニマ・スタジオ)
アジ紙―東欧を旅する雑貨店チャルカの、好きで好きで仕方のない紙のはなし
久保よしみさんと藤山なおみさん、旅友たちの女性ふたりが作った、大阪北堀江にある有名なお店、東欧を旅する雑貨店[チャルカ] 。
タイトルの「アジ紙」というのは、チャルカにとっての、「個性、味わい、趣き、背景、ストーリーのある紙のこと」だそう。
この本は、チャルカの紙への思い入れがぎゅぎゅっと詰まった、まるごと一冊「紙」がテーマの、かなーりマニアックな本(笑)です。

雑貨店であるはずのチャルカの本は、いつも雑貨のことだけじゃなくて、平凡だけど素敵な人たちが登場するのが魅力。
人との触れ合いがじんとくる旅のエピソードとともに紹介される、さまざまなアジ紙。アジ紙から作られるチャルカの文房具や、それを作っている町工場のおじさんたちの話など、どれをとってもチャルカらしい切り口。
封筒工場専務、白石氏の「チャルカさんの文房具はユニークやね。なんていうのか、あったかい。きっと商品を買っていく人も、あったかい人が多いんやろうと思います」という言葉にしみじみ。
ちなみに雑誌『アルネ』28号で、イラストレーター大橋歩さんが、この『アジ紙』でも紹介されているチャルカのノート『CESKY PAPIR』(チェスキー・パピール、チェコの紙の意)を購入していらっしゃるのを発見!う〜む、やはり。
チャルカの本はまた、東泰秀さんの写真も素敵で、文房具だけじゃなく、人の表情がなんとも良い感じに撮れてるんですよね〜。

とにかく紙好きにはたまらない、凝りに凝った一冊。そして、紙好きでなくても手にとってみてほしい、「あったかい」一冊。
p145-176は、更紙(ざらがみ)を使用した特別仕様、初版限定なんだだそうですよ。

→Amazon「アジ紙―東欧を旅する雑貨店チャルカの、好きで好きで仕方のない紙のはなし
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▼チャルカの本なら、こちらもおすすめ!
『チャルカの旅と雑貨と喫茶のはなし』(産業編集センター)
チャルカ10周年の節目に、「オレンジ本(上記で紹介の『チャルカの東欧雑貨買いつけ旅日記』)」と同じメンバーで、これまでのチャルカをふりかえる本として作られたのが、この「緑本」なのだそう。
旅、雑貨、喫茶、花、文房具…。久保さんと藤山さん、おふたりの好きなことをすべて詰め込んだ雑貨店チャルカ。そのチャルカのすべてが書かれたこの本。
個人的には「喫茶」のおはなしが印象的でした。どのメニューもめっちゃおいしそうだし、チャルカって、女子だけじゃなくて、おっちゃんたちもお昼ごはんを食べにきてる感じが◎(ごはん食べたりお店でくつろいでるおっちゃんの写真がいいんですよね〜)。
とにかく、読んでいると自分でも、何かものを作ったり、何かを「好き」な気持を発信したりしたくなってきます。

チャルカの旅と雑貨と喫茶のはなし
チャルカ
産業編集センター
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●ナカムラユキ


ナカムラユキさんはイラストレーターであり、京都北白川でアトリエショップ「trico+」(トリコプリュス)を運営していらっしゃいます。 古いもの、文房具、パリが大好き。雑貨好きが高じてアトリエショップを始めてしまったとのこと。
のびのびした描線のイラストや、余白を多くとったレイアウト、かわいいのだけれど情報を詰め込みすぎないシンプルな本作りが素敵で、すっかりファンになってしまいました。


「パリ雑貨日記 新装版」

ナカムラユキ 著(mille books)
パリ雑貨日記
かわいいくておしゃれな旅と雑貨の本。といえば、やっぱりパリ紹介の本は外せないだろうと思い、いろいろ探してみたのだけど、パリ関連の本というのはとても多い。ほんとうに人気のある街なんだなあと思う。
『パリ雑貨日記』は、見るからに華やかなパリの本というわけではありません。どちらかというと地味な一冊かも。
著者のナカムラユキさんは、イラストレーターであり、京都北白川でアトリエショップ「trico+」(トリコプリュス)を運営していらっしゃいます。
古いもの、文房具、そしてもちろんパリが大好きという著者の好みを反映してか、『パリ雑貨日記』の表紙は、こぶりのノートのような、シンプルだけどかわいいデザイン。本の背が赤い製本テープで綴じられているところ、手作り感があって良いです。

内容は、「trico+」のサイト上で連載していた、2004年のパリでの雑貨買い付け日記を本にしたもの。
2005年初版、2007年に装幀を変えて新装版を発行、その際に書き下ろしページが加えられています。
中身のデザインは、著者自身が撮影したポラロイドやデジカメ写真と、横書きのテキスト、そしてイラストが、センスよくレイアウトされていて、とてもかわいいです。
大判の写真はないのだけれど、ちまちまとかわいい写真や、サイト上で連載されていたためのざっくばらんなテキスト、のびのびした描線のイラストに、余白を多くとったレイアウト、これら全体のバランスが何ともわたし好み。
これはナカムラユキさんの他の著書を集めなければ、と思ってしまった一冊でした。

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「365日雑貨暦」

ナカムラユキ 著(アノニマ・スタジオ)
365日雑貨暦
『365日雑貨暦』は、タイトルどおりの雑貨の本。
旅の本ではないのですが、著者ナカムラユキさんのセンスに惹かれて購入しました。
ナカムラユキさんはイラストレーターであり、京都北白川でアトリエショップ「trico+」(トリコプリュス)を運営していらっしゃいます。
古いもの、文房具、パリが大好き。雑貨好きが高じてアトリエショップを始めてしまったという著者の、雑貨な日々を綴った本書。
元旦から大晦日まで365日、1日にひとつ。著者の愛する、著者の感性に触れた、すてきな雑貨たちがとりあげられています。
ポラロイド、デジカメ写真、そして描線に味わいのあるモノクロのイラストに、短いテキストが添えられて。
この本、365日ぶん雑貨がたくさん登場して、見ごたえはあるのに、なんだか余白があるんですよね。
決してかわいすぎない、ながく使い込まれた雑貨たちとともにある、しずかな毎日。
ぱらぱらページを繰って眺めるだけでも、じんわり癒される一冊です。

またこの本に散りばめられた、雑貨を楽しむ暮らしのアイデアは、スタイリストでも雑貨屋さんでもない一般人が、ちょこっと真似できそうなものが多く、読んでいると、「あっ、わたしもこれやってみよう!」と思うことがしばしば。
そんな気取らなさも、ナカムラユキさんの本の魅力だと思うのです。

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「pieni tytto」

小さな女の子の小さなケーキ屋さん
ナカムラユキ・村岡 津 著(mille books)
pieni tytt〓―小さな女の子の小さなケーキ屋さん
この本は、イラストレーターでありアトリエショップの運営もしていらっしゃるナカムラユキさんが、村岡 津さんというパティシエの女性(小さな女の子)と、彼女が開いた小さなケーキ屋さん「pieni tytto(ピエニトット)」を紹介した一冊です。
まず、村岡 津さんが「pieni tytto(ピエニトット)」をたちあげるまでの道のりを、短いテキストにナカムラユキさんのイラストを添えるという、絵本仕立てで紹介。
それから村岡 津さんのケーキのレシピ。
さらに、ナカムラユキさんと村岡 津さんのおふたりが、パリに一週間滞在して、蚤の市や製菓道具屋さんなどで買い付けする様子を、写真たっぷりで綴った、旅の日記がおさめられています。

とにかくブックデザインがかわいい!
表紙にレイアウトされた封蝋。見返しの愛らしいテキスタイル。標題紙にはレースペーパーが使われ、レシピのページでは、黄ばんだ方眼紙にポラのケーキ写真が配されており、そのケーキ写真のスタイリングもかわいい。あとがきページには、薄緑の紙ナプキンがレイアウトされています。
パリの旅の日記の、写真の素敵さは言うまでもなく・・・。有名なケーキ屋さん『ラデュレ』の店内の様子は、まさに乙女心をくすぐります。ああ行ってみたい。
こんなに乙女なデザインでありながら、この本、ナカムラユキさんの他の著書と同じく、やはり余白が多くとられていて、情報を詰め込みすぎていないところが良いです。
「pieni tytto(ピエニトット)」(名古屋市東山にあるそうです)に行ったことはないけれど、あまりのかわいさに魅了されてしまった一冊。

→Amazon「pieni tytto―小さな女の子の小さなケーキ屋さん
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「京都文具探訪」

ナカムラユキ 著(アノニマ・スタジオ)
京都文具探訪
イラストレーターであり、京都北白川でアトリエショップを運営していらっしゃるナカムラユキさん。『京都文具探訪』は、古いもの、文房具好きという著者が、地元である京都の文具店を訪ね歩き、古くて懐かしい文房具を紹介するという趣向の一冊です。
わたしはこの本に出会うまでよく知らなかったのですが、文房具好きの人というのはたくさんいて、文房具関連の書籍というのもたくさんあるのですね。
この本では、著者が文具店を訪ね歩くきっかけから始まる、文房具をめぐる小さな旅のエッセイに、著者自身のイラストが添えられています。
それぞれの文具店で発掘した文房具は、たとえば蛍光カラークリップや、インク・鉛筆両用消しゴム、木製のインクの吸取器…。そんなたくさんの古い文房具たちの写真に、それぞれの製品の歴史など解説が添えられています。

それにしても、ここに紹介されている文房具たちは、古いもののはずなのに、なんだか見覚えのあるものが多い。
あれ、よく考えたらインク・鉛筆両用消しゴムは、職場(図書館)のカウンターの抽斗の奥に眠ってるし、木製のインクの吸取器なんて、今もうちの職場では現役で活躍してるじゃん!
わたくし管理人の勤務先である図書館は、予算が少なく新しい備品や消耗品をなかなか購入できないので(泣)、古い文房具が、いまも毎日使われているのです。
おお、こうして見ると何だかこの文房具も趣深い・・・なんて、見慣れたものたちを再発見。
雑貨好きの著者の目線で書かれたこの本、文房具を雑貨として見る面白さを教えられました。

→Amazon「京都文具探訪
→セブンネットショッピング「京都文具探訪icon

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▼ナカムラユキさんの本なら、こちらもおすすめ!
『京都に暮らす雑貨暦』(アノニマスタジオ)
『京都に暮らす…』というタイトルから、京都を紹介する本かなと思ってしまいそうですが、この本は、上記で紹介の『365日雑貨暦』の続編です。
京都本というより、淡々と日々を過ごすナカムラユキさんの日記。写真とイラストがセンスよくレイアウトされていて、余白が多い。
Amazonのレビューでは、商品に関する情報やお店の地図がないことがマイナス評価もされているようですが、わたしは情報量が多すぎないナカムラユキさんの本が好きなのです。
この本で紹介されている商品とか、探して思わず買っちゃたし…^^; 行ったことあるお店なんかも登場して、にやり…という感じで楽しめます。

京都に暮らす雑貨暦
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ナカムラ ユキ
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おすすめ度の平均: 3.0
1 京都旅行前のモチベーションアップや参考資料にはならない
5 京都の魅力を伝えつつ、京都に行きたくならない不思議な本

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●les deux(レ・ドゥ)


les deuxというのは、名古屋の雑貨店「le petit marche(プチマルシェ)」の店主である滝村美保子さんと、イラストレーター松尾ミユキさんによる、「旅とモノ」をテーマにしたユニット。 『旅のコラージュ バルト3国の雑貨と暮らし』(ピエ・ブックス)をはじめとした書籍や、シリーズ小冊子『東京旅行』など発行されています。
les deuxの本はコラージュが生かされたブックデザインがかわいく、いつもコラージュの部分をじっと見入ってしまいます。


「旅のコラージュ」

バルト3国の雑貨と暮らし
les deux 著(ピエ・ブックス)
旅のコラージュ バルト3国の雑貨と暮らし
ピエ・ブックスの雑貨やアート関連の本はどれもかわいくて、サイトで中身の画像を見て、これはいいな〜と思って購入したのが、『旅のコラージュ バルト3国の雑貨と暮らし』。
les deuxというのは、名古屋の雑貨店「le petit marche(プチマルシェ)」の店主である滝村美保子さんと、イラストレーター松尾ミユキさんによる、「旅とモノ」をテーマにしたユニットとのことで、書籍やリトルプレスなどを発行されています。

この本では、北欧に面するバルト海沿岸の3国、エストニア・ラトヴィア・リトアニアで作られている、素朴で愛らしい雑貨がたくさん紹介されています。 短いテキストと、写真、コラージュが、かわいくレイアウトされていて、バルト3国のことをよく知らなくても、眺めるだけで楽しい一冊です。
バルト3国、おそらくはさまざまな厳しい歴史も乗り越えてきた国々で作られる、なんとも素朴な雑貨たち。おばあちゃんたちが必ず頭に巻いている鮮やかなスカーフ、色とりどりの民族衣装・・・。どの写真もかわいらしく、異国情緒に満ちていて心が踊ります。
コラージュ好きなわたしは、各国紹介の扉ページや旅日記、ページのそこここに散りばめられたコラージュにも、じっと見入ってしまいます。

→Amazon「旅のコラージュ バルト3国の雑貨と暮らし
→セブンネットショッピング「旅のコラージュ バルト3国の雑貨と暮らしicon

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「ヨーロッパのマーケット」

フランス・オランダ・ベルギー雑貨とおいしいものを探す旅
les deux 著(ピエ・ブックス)
ヨーロッパのマーケット―フランス・オランダ・ベルギー雑貨とおいしいものを探す旅
『ヨーロッパのマーケット』は、まさにかわいい旅と雑貨の本。
les deuxというのは、名古屋の雑貨店「le petit marche(プチマルシェ)」の店主である滝村美保子さんと、イラストレーター松尾ミユキさんによる、「旅とモノ」をテーマにしたユニット。
この本では、雑貨を買い付ける仕事をしている人ならではの旅、観光地を訪れるだけのツアーなどでは味わえない、ヨーロッパ各地の市場をめぐる旅の魅力が紹介されています。

まずはフランス、有名なヴァンヴやクリニャンクールの蚤の市に、アリーグルの朝市、それからアルザスやブルターニュやプロヴァンス、バスク地方の蚤の市へと足をのばして。さらにオランダやベルギーの市場までたくさんとりあげられていて、どこも楽しそう〜。
それぞれの市場でles deuxのおふたりが掘り出してきた雑貨を紹介したページもあり、どれもかわいく、こんなの蚤の市で探すのって面白いだろうなあと思う。
ピエ・ブックスの本はどれもブックデザインが凝っていて、les deuxの本はコラージュもかわいいので、そこも見逃せない。
こういうコラージュって、やってみたいけど、かなりセンスが要求されますよね・・・。

→Amazon「ヨーロッパのマーケット―フランス・オランダ・ベルギー雑貨とおいしいものを探す旅
→セブンネットショッピング「ヨーロッパのマーケット フランス・オランダ・ベルギー雑貨とおいしいものを探す旅icon

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「clip trip」

les deux 著(mille books)
Clip trip
『clip trip』は、「旅とモノ」をテーマにしたユニットles deuxの、初コラージュ集。
こぶりの、ページ数もそれほど多くはない薄い本で、興味のない人にはおもしろくないかもしれないけれど、 いまはかわいいもの好きの女子の間でコラージュが流行っているようなので、そんなコラージュ好きの人たちにはおすすめの一冊。
les deuxの他の著書で、ところどころに施されたコラージュがかわいいなと思っていたわたしにも、なんとも興味深い本でした。

オランダ、スウェーデン、チェコ、ブルガリアといった国々を旅して集めたいろんな「モノ」が、おしゃれにコラージュされていて、短いテキストが添えられています。
レシートや包装紙やチケットなどの紙もの、かわいい端切れやレースやボタンなど手芸用品、そういった「モノ」たちを、クリップで留めたり、ステッチをいれたり、ミシンで縫い合わせたり・・・。 ぽいと捨てられそうなものたちをオリジナルのセンスで組み合わせたコラージュは、とてもかわいい!
こういうプロのコラージュって、一見無造作なようでいて、「きちんと見えないように」計算がされているのだろうな〜、と感心。

ちなみにmille booksの本って、こういうわりと買う人の数が少なそうな、ファンしか買わないだろうというようなものが多くて(いい意味で言ってます!)、ブックデザインも手作り感があるので、わたしはけっこう好きです。(・・・という人は多いのかもしれませんが〜)

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