■ゲオルグ・ハレンスレーベンの絵本

〜塗り重ねた絵具の質感、キャラクターだけじゃない洗練のテクニック〜


●ゲオルグ・ハレンスレーベン ― Georg Hallensleben ―

1958年、ドイツのヴッパタール生まれ。
幼い頃から水彩画を描く。大学卒業後はローマに住み画家として活躍。
絵本『おつきさまはまきっと』(講談社)で、アメリカの児童書の書評誌『ホーンブック』の1998年最優秀絵本賞を受賞。
妻アン・グットマンと共作の「リサとガスパール」シリーズで、一躍人気画家に。 現在、妻と子どもとともにパリ在住。



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「おつきさまはきっと」

「リサとガスパールのクリスマス」

「リサとガスパールのたいくつないちにち」

「夜になると」



「おつきさまはきっと」

ゲオルク・ハレンスレーベン 絵/ケイト・バンクス 文/さくまゆみこ 訳
(講談社)
おつきさまはきっと (世界の絵本)
日がくれて、そとはもう暗くなりました。窓から、おつきさまが顔をのぞかせています。
今ごろ、おつきさまはきっと、野原や砂漠や海、山や草原、いろんな場所の「おやすみなさい」を、見守っていることでしょう。 そして、これから眠りにつこうとする、あなたのこともきっと。

眠りにつく子どもと、夜を見つめながら輝くまあるいおつきさまのお話を、ハレンスレーベンの絵筆が、色鮮やかに描き出しています。 原色を使っているのに、どぎつい感じはまったくありません。指でさわると厚みが感じられるような、塗りかさねた油絵具の質感に、この上ないあたたかみがあるからです。
すべてをやさしく包み込むおつきさまの眼差しを感じることのできるこの絵本は、おやすみ前の一冊にぴったり。 3歳くらいまでの、ちいさな子どもへの読み聞かせにもおすすめです。

→「月の絵本」はこちら

→Amazon「おつきさまはきっと (世界の絵本)

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「リサとガスパールのクリスマス」

アン・グットマン 文/ゲオルグ・ハレンスレーベン 絵/石津ちひろ 訳
(ブロンズ新社)
リサとガスパールのクリスマス (リサ・シリーズ)
もうすぐ楽しいクリスマス。先生にあげるクリスマスプレゼント、何がいいかなあ? ガスパールのうちで、いっしょに考えたんだけど…。あっ、いいこと思いついた! 先生、いつも自転車にのってるから、雨がふるとびしょぬれなのよね。だからプレゼントにはレインコートがいいんじゃない? そこでリサとガスパールは、レインコートを手作りすることにしたのですが…。

リサとガスパールが、とにかくかわいい! 油絵具を厚く塗りかさねているために、キャラクターたちに立体感があり、さわると体温が感じられるような気さえします。 文章はリサの一人称。ちょっとおしゃまな語り口が、小憎らしくも可愛らしいです。
この本では、あれこれと思いつきで行動するリサに、ガスパールがふりまわされている感があり、そこがくすりと笑えます。 表紙の絵が、赤と緑のクリスマスカラーで描かれていて、プレゼントにもぴったりの一冊。
リサとガスパールが、小雪の舞うクリスマスムード溢れる街を散歩する絵が、とても好きです。

→クリスマスの絵本の紹介はこちら

→Amazon「リサとガスパールのクリスマス (リサ・シリーズ)

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「リサとガスパールのたいくつないちにち」

アン・グットマン 文/ゲオルグ・ハレンスレーベン 絵/石津ちひろ 訳
(ブロンズ新社)
リサとガスパールのたいくつないちにち
春休み。ガスパールをさそって、おばあちゃんのうちへ遊びに来てるんだけど、雨ばかりで、すごーく退屈してきちゃった。
おばあちゃんがいない間に、ガスパールはおかしづくりの材料に手をのばして……おばあちゃんが戻ってきたときには、ガスパールは粉だらけ、テーブルの上はクリームだらけ! そのあとも、2人はさらに色々な遊びを考え出すのですが――

子どもの心理を巧みに描き出すストーリー展開。いたずらに次ぐいたずら。本人たちにとっては、ただ好きに遊んでいるだけなのだろうけれど。 でも「もしかして怒られるかも」という後ろめたい気持ちもあるようで、子どもって天使のように可愛いだけの存在じゃないよなあって、よくわかります。 だからこそ面白いこのシリーズ。ときに手こずらされる、子どもらしく生き生きとしたリサとガスパールが素敵です。
風景や室内の様子の描写など、ハレンスレーベン氏の絵のうまさも、もちろん見所です。

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「夜になると」

アン・グットマン&ゲオルグ・ハレンスレーベン 作/今江祥智 訳(BL出版)
夜になると
夜になると、お手伝いさんのエマが迎えにくる。かえりの道、あかりのついた窓、どんな人が暮らしているんだろって、空想しながら歩く。 少し遅れて帰ってきたパパとママンは、今夜は家にお客さんを招いてパーティ。わたしだってパーティに出たいのに、ママンは「もうおやすみなさいでしょ」だって。
パパもママンも、あしたはずっと、一緒にいてくれるのよね?

パリに暮らすある家族の姿を、あたたかく描いた絵本。
夕闇がひろがり、ネオンがかがやき、通りの窓にあかりがともる、昼間とはすこし違った夜の風景。 ハレンレーベンの描く「夜」の絵は、青と黄色のコントラストが鮮やか。 見開きいっぱいに描かれたパリの夜景は、黄色い光が夜闇の青のなかにひときわ明るく輝き、とても美しいです。 アン・グットマンの選んだ短い言葉の中には、好奇心いっぱいの女の子の、両親をしたうかわいらしい気持ちが、たくさん詰まっています。

→Amazon「夜になると

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