■アンネ・エルボーの絵本

〜大胆なでユニークなデフォルメと美しい色彩が魅力〜


●アンネ・エルボー ― Anne Herbauts ―

1975年12月27日、ブリュッセル生まれ。
ブリュッセルの王立美術アカデミーで、イラスト・コミックを学ぶ。
『おつきさまは よる なにをしているの?』で、99年ボローニア絵本賞(ラガッツィ賞)受賞。 現在、ブリュッセル近郊在住。



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「おつきさまは よる なにをしているの?」

「すきまのじかん」

「そらいろのいえ」



「おつきさまは よる なにをしているの?」

アンネ・エルボー 作/木本 栄 訳(ひくまの出版)
おつきさまは、よる、なにしているの?
おつきさまは、ひるま、ねむっています。では、よる、なにをしているのでしょう? 実は、おつきさまの、よるは、おおいそがし。みんながねむっている間に、たくさんの、たのしい仕事をしているのです。 おつきさまの仕事って、いったいなんなのでしょう?

とても大きな絵本で、カバーをはずすと本の背の部分が布張りという、凝った装幀。 大きなページいっぱいに、エルボーの素敵でふしぎな世界が広がっています。
大胆にデフォルメされているのに品のあるアーティスティックな絵と、ファンタジックなおはなしが調和していて、 子どもへの読み聞かせにもぴったりではないでしょうか。
おつきさまの仕事というのが、ふしぎでたのしく、読んでいると心があたたかくなります。 夜を描く暗い色調に、幻想の生まれる闇が潜んでいます。おつきさまの綺麗な秋の夜長に、読みたくなる絵本です。

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「すきまのじかん」

アンネ・エルボー 作/木本 栄 訳(ひくまの出版)
すきまのじかん
すきまのじかんを、知っていますか? たいようのじかんと、やみのじかんのあいだの、ほんのわずかな、はかないじかん。 この絵本は、そんな「すきまのじかん」のおはなしです。
「たいようのおうさま」と「やみのじょおうさま」に追い払われ、ふたりのあいだに、そっと忍び込んだ「すきまのじかん」。 ある日、「むこうがわのじかん」に「うつくしいおひめさま」が住んでいると、鳥たちが噂しているのを聞いて…。

忙しさの中で忘れがちな、ささやかなものの優しさを、そっと思い出させてくれる物語です。
また、擬人化された<時間>たちの絵が魅力的。とりわけ、たけうまにのり、あおいオーバーにマフラーをピンでとめ、 ゆびぬきをかぶっている「すきまのじかん」のデザインが素敵です。
大判・縦長サイズで、カバーをはずすと、本の背の部分が布張りという、凝った装幀もGood。

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「そらいろのいえ」

アンネ・エルボー 作/木本 栄 訳(ひくまの出版)
icon icon 旅路の果て、このひろく美しい空の下で暮らしたい、と思った旅人は、空と海をみはらす丘の上に家を建てますが、その家は鳥たちに馬鹿にされてしまいます。 壁を空色に塗ってみてもからかわれ、タイルで飾り立ててみても、そのタイルは風で剥がれ落ち……。
最後に、旅人は空の中に理想の家を描き、ひかりかがやく空の屋根の下で、しあわせに眠ったのです。

この『そらいろの いえ』は、絵本作家ワンダーランド<公式サイト>で、ちらっと中の絵を見て、どうしても欲しくなってしまった一冊。
やっぱり素敵な絵でした。大胆な構図と、美しい色彩。
大判・縦長サイズで、カバーをはずすと本の背の部分が布張りと、装幀も凝っています。
おはなしに関しては、ネット上で、いまひとつという意見も見かけたので、ふむふむ? と構えながら読んだのでしたが、そう納得できない結末でもありませんでした。
そういえばアンデルセン童話「旅の道づれ」でも、貧しい主人公ヨハンネスが、夜空の下で満ち足りて眠りにつく様子が描かれています。 野原の中は、ヨハンネスにとってはすばらしい寝室。花咲く草原は立派な絨毯。ニワトコの茂みや野バラの生垣は花束。 顔を洗うためには冷たい小川があり、お月様は青い天井に輝く大きなランプ……。

『そらいろの いえ』では、美しい自然に抱かれて生きたいなら、立派な家など建てる必要はなく、ただ空の下で眠ればいい、そういうことが描かれているのかな、と思いました。
空はすべての人間の幻想を容れることのできる、ひろいひろい家なのですよね。

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