*書名をクリックすると、Amazonの商品詳細画面が開きます。
この年になれば私も、悪魔が歯をむいて笑えば、こっちも笑い返してやれるようになっていますから。こうして悪魔に笑い返してやることが、この世でたった一つ、なによりもおもしろいほんものの娯楽だ。 | |
[出典] イサク・ディネセン 著/横山貞子 訳「ピサへの道 七つのゴシック物語1【Amazon】」 | |
彼女は百合の炎で体を温めたいとでも思っているように花の前にしゃがんだ。百合が胸のあわいで生長して、指の隙間で咲いているような、唇の上で咲いているような感じがした。 | |
[出典] 西崎 憲 編訳「マンスフィールド短篇集 (ちくま文庫)【Amazon】」 | |
この人らはあらゆる感覚を一度に働かせて生きている。しかも無意識の賢者であるこの人らは、欲望を人生のはかなさにうまく調節しているのである。 | |
[出典] アナトール・フランス 作/ 伊吹武彦 訳「シルヴェストル・ボナールの罪 (岩波文庫)【Amazon】」 | |
どこも活気に満ちた、ぼくの街だが、/悩みばかりで、内気なぼくの人生にも、/小さな、ぼくにぴったりな一隅が、ある。 | |
[出典] 須賀 敦子 著「須賀敦子全集〈第5巻〉イタリアの詩人たち、ウンベルト・サバ詩集ほか (河出文庫)【Amazon】」 | |
七〇歳以下の人間と七歳以上の人間を信用してはだめよ。猫でもないかぎりね。 | |
[出典] レオノーラ・キャリントン 著/野中雅代 訳「耳ラッパ―幻の聖杯物語【Amazon】」 | |
文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である。 | |
[出典] フェルナンド・ペソア 著/澤田 直 訳「新編 不穏の書、断章 (平凡社ライブラリー)【Amazon】」 | |
ぼくらは去り、美はとどまる | |
[出典] ヨシフ・ブロツキー 著/金関寿夫 訳「ヴェネツィア 水の迷宮の夢【Amazon】」 | |
ジェーンはランプよりロウソクが好きだった。優しい消え方をするからだ。 | |
[出典] モンゴメリ 著/木村由利子 訳「丘の家のジェーン (角川文庫)【Amazon】」 | |
それでも目の前に、私の知らないことがこんなにひろがっていて、私がまだその世界を針の先でチョンとつついたほども知らないと思うと、私、胸がふくれ上がりそうに勇気が出てくるの | |
[出典] 松田瓊子 著「紫苑の園/香澄 (小学館文庫)【Amazon】」 | |
自分の知らない場所にも世界が隠されていた。 | |
[出典] 小川洋子 著「沈黙博物館 (ちくま文庫)【Amazon】」 | |
わたしは なりたいとおもったら/いつでも あたらしいなにかに なれるのよ. | |
[出典]
デルモア・シュワルツ 文/バーバラ・クーニー 絵 | |
世界はこのままでいいのだ、風変わりで、つむじ曲がりのままで。 | |
[出典] エリス・ピーターズ 著/大出 健 訳「聖女の遺骨求む ―修道士カドフェルシリーズ(1) (光文社文庫)【Amazon】」 | |
メルヘンもまた、森と人間とが共存していた「むかし」からの贈り物、人間にとって必要な記憶装置のようなものかもしれません。 | |
[出典] 巖谷國士 著「森と芸術【Amazon】」 | |
鞄の中に本が一冊はいっていれば、それだけで気分がいい。 | |
[出典] 吉田篤弘 著「木挽町月光夜咄【Amazon】」 | |
とくにどうということのない田舎にこんなに長いこと住んでいて、毎日毎年うつり変わる季節の美しさにますます喜びを見出すような人には、それ以前にも以後にも、一度も会ったことがありません。 | |
[出典] ギャスケル 作/小池 滋 訳「女だけの町―クランフォード (岩波文庫 赤 266-1)【Amazon】」 | |
元来、幸福ということは消極的な喜びだけを意味するのだろうからね。 | |
[出典] 東山魁夷 著「復刻普及版 北欧紀行 古き町にて (講談社ARTピース)【Amazon】」 | |
あなたは何時までも何にも捉はれずに、ほんとのあなたの歌をおよみ下さい。あなたのかなしみとよろこびはほかの人のではないのです。 | |
[出典] 片山廣子 著「野に住みて―短歌集+資料編【Amazon】」 | |
裸かのまづしい日々に、何か希望をもち、そして失望し、また希望し工夫をし、溜息をし、それを繰り返しくり返して生きることは愉しいと私は急に元氣が出た。 | |
[出典] 片山廣子 著「新編 燈火節【Amazon】」 | |
でも、ああ! 人生は不思議なことだらけですものね。わたしは思うんですけど――ジョーはひとはあんまり考えこむもんじゃないって申しますけどね――人生も旅みたいなものですからね。 | |
[出典] ウォルター・デ・ラ・メア 著/脇 明子 訳「世界幻想文学大系〈10〉魔女の箒 (1975年)【Amazon】」 | |
すべての良質の文学作品の目的とは、つまらぬ悩み事を心のうちから追い払うことである。 | |
[出典] P・G・ウッドハウス 著/森村たまき 訳「ブランディングズ城の夏の稲妻【Amazon】」 | |
「部分」をつくるということが、結局は「全体」をつくることになると思う | |
[出典] クラフト・エヴィング商會 著/坂本真典 写真「じつは、わたくしこういうものです【Amazon】」 | |
「でも、意外とみんな頭の中でハッピーな歌を歌ってるのかもしれないよ」 | |
[出典] 吉田篤弘 著「フィンガーボウルの話のつづき (新潮文庫)【Amazon】」 | |
さみしくない本は、もとより本ではないし、さみしくないなら、本など読む必要もない。 | |
[出典] クラフト・エヴィング商會 著「おかしな本棚【Amazon】」 | |
たとえ 5がつが とてもつめたくて | |
[出典] クリスティーナ・ロセッティ 著/安藤幸江 訳「シング・ソング童謡集【Amazon】」 | |
その傷だらけの地には死の他には何も育たないようにも見えるが、それでもこれはほんのひとときだけのものであって、夢がふたたび戻ってきて昔のように花開くのだろう。これほどひどく掘り返されてしまったからこそ、尚のこと光り輝くだろう。 | |
[出典] ロード・ダンセイニ 著/中野善夫 他 訳「世界の涯の物語 (河出文庫)【Amazon】」 | |
みちは、まだ暗かったけれど、遠くからビーズのような小鳥のこえが運ばれてきた。鳥たちは黒いだけの何もない土をついばみはじめた。そして教えてくれた。空しく広がるだけにみえた黒い土は、種で覆われていることを。 | |
[出典] 片山令子 文/ささめや ゆき 絵「ブリキの音符【Amazon】」 | |
あらゆる陰の上空に、お日さまは上る。 | |
[出典] J.R.R.トールキン 著/瀬田貞二 訳「新版 指輪物語〈9〉王の帰還 下 (評論社文庫)【Amazon】」 | |
その庭に今もいるのは、その子の心。/今も、心はその庭にとどまって、こうして遊んでいるのです。 | |
[出典] R・L・スティーヴンソン 詩/間崎ルリ子 訳「ある子どもの詩の庭で【Amazon】」 | |
でも、そんな重荷も明るく勇敢に背負えば、あんがいそう重くなかったということになるのかもしれません。 | |
[出典] バーバラ・ピム 著/芦津かおり 訳「よくできた女(ひと) (文学シリーズ lettres)【Amazon】」 | |
あの頃は 太陽の馬車も/黄金のりんごも/白鳥の卵も/絵本のそとに ころがっていた | |
[出典] 岸田衿子 著/安野光雅 絵「ソナチネの木【Amazon】」 | |
きっちり足に合った靴さえあれば、じぶんはどこまでも歩いていけるはずだ。 | |
[出典] 須賀敦子 著「須賀敦子全集〈第3巻〉 (河出文庫)【Amazon】」 | |
神秘と言われているものは、ただ、わたしたちには見えないもの、わたしたちには聞こえないものであるにすぎない | |
[出典] F・H・バーネット 作/砂川宏一 訳・解説「白い人たち【Amazon】」 | |
「命あるところ、希望ありでございます、ご主人様」 | |
[出典] P・G・ウッドハウス 著/森村たまき 訳「ジーヴスと恋の季節【Amazon】」 | |
「あんまり、おおげさに考えすぎないようにしろよ。なんでも、大きくしすぎちゃ、だめだぜ」 | |
[出典] ヤンソン 著/鈴木徹郎 訳「ムーミン谷の十一月 (講談社文庫 や 16-8)【Amazon】」 | |
人々の日々の幸せは、日常生活のささいな事柄にかかっている。 | |
[出典] ジェイン・オースティン 著/中野康司 訳「「エマ (上) (ちくま文庫)【Amazon】」 | |
でもいつかきみは、さらに年を重ね、またおとぎばなしを読むようになるだろう。 | |
[出典] C.S.ルイス 作/瀬田貞二 訳「ライオンと魔女―ナルニア国ものがたり〈1〉【Amazon】」 | |
「こうした厄介な時世には、人はつねに祈らねばならぬ」 | |
[出典] エリス・ピーターズ 著/岡 達子 訳「異端の徒弟 -修道士カドフェルシリーズ(16)【Amazon】」 | |
「じゆうでなければ、わたしは、うたえないのです。うたえなければ、死んでしまいます」と、ウグイスはいいました。 | |
[出典] S.モーム 文/武井武雄 絵「九月姫とウグイス (岩波の子どもの本)【Amazon】」 | |
もしやこの帝国は――と、フビライ汗は思った――精神の黄道に宿る幻の星座にほかならぬのではないのか。 | |
[出典] I・カルヴィーノ 著/米川良訳夫「見えない都市 (河出文庫)【Amazon】」 | |
「それ、詩なの?」/「いいえ、詩はあなた。これは、詩になろうとしているだけ」 | |
[出典] マイケル・ビダード 作/バーバラ・クーニー 絵/掛川恭子 訳「エミリー【Amazon】」 | |
ね、どこから来たの? | |
[出典] 須賀敦子 文/酒井駒子 画「こうちゃん【Amazon】」 | |
アテナイの若者よ 汝自身に/忠実でいなさい/そして神秘に/その他はすべていつわりであるゆえに | |
[出典] エミリ・ディキンソン 著/川名 澄 編訳「わたしは誰でもない―エミリ・ディキンソン詩集【Amazon】」 | |
疲れ果てた時の、疲れた心よ、/善・悪の網をきっぱりと切って、来い、/再び笑え、心よ、灰色の薄明のなかで。 | |
[出典] W.B.イエイツ 著/井村君江 訳「ケルトの薄明 (ちくま文庫)【Amazon】」 | |
だけど、そもそも道なんかつくる必要があるだろうか。あってもなくても、行きたいところには行けるのだ! | |
[出典] 冨原眞弓 編訳「トーベ・ヤンソン短篇集【Amazon】」 | |
「だれだって、じぶんだけのおとぎの国があるんですよ!」 | |
[出典] P.L.トラヴァース 作/林 容吉 訳「風にのってきたメアリー・ポピンズ (岩波少年文庫)【Amazon】」 | |
古い歌に歌われた、花のように輝き燃える/力強い銀の星を見た人こそが、/空の星を見るのだ。 | |
[出典] J.R.R.トールキン 著/杉山洋子 訳「妖精物語の国へ (ちくま文庫)【Amazon】」 | |
きみは、自分を後ろ向きに見たことがあるかい? きみは自分を見たことなんか、まるでないんだよ! | |
[出典] ジョージ・マクドナルド 著/荒俣 宏 訳「リリス (ちくま文庫)【Amazon】」 | |
「世界は永遠じゃない。ただ歌だけが不滅なんだ」 | |
[出典] ロード・ダンセイニ 著/荒俣 宏 編訳「短篇集 妖精族のむすめ (ちくま文庫)【Amazon】」 | |
ねがいごとは、いきたいところへ とちゅうまで いったのと おなじなんだ。 | |
[出典] モーリス・センダック 作/神宮輝夫 訳「ケニーのまど【Amazon】」 | |
何より大聖堂の傑れて、冴々として、香を含んだ青、聖母たちの被衣の、その精妙な青。 | |
[出典] ヴァージニア・ウルフ 著/西崎 憲 訳「ヴァージニア・ウルフ短篇集 (ちくま文庫)【Amazon】」 | |
ノスタルジアとは、源にもどろうとする心の傾きのことをいう。 | |
[出典] 文 巖谷國士 /作品 桑原弘明「スコープ少年の不思議な旅【Amazon】」 | |
芸術とは創るものではない、見つけるものだ。 | |
[出典] チャールズ シミック 著/柴田 元幸 訳「コーネルの箱【Amazon】」 | |
▲トップ |